年間17,520コマの実需要データ × 72ヶ月の実績価格。
「もしこのプランを使っていたら本当にいくらだったか」を
どうやって計算しているのか、わかりやすく解説します。
電気代ナビの計算は、大きく分けて3つのステップでできています。
では、それぞれのステップをもう少し詳しく見ていきましょう。
電気の使い方は1日の中で大きく変わります。朝起きてエアコンをつける、昼間に洗濯機を回す、夜にテレビを見ながら料理をする——こうした生活のリズムによって、電気の使用量は30分ごとに上がったり下がったりします。
電気代ナビでは、東京エリア全体の電力需要の実績データを使います。これは電力の広域機関が公開しているデータで、東京エリアで実際にどれだけの電気が使われたかが、30分ごとに記録されています。
30分 × 48コマ/日 × 365日 = 年間17,520コマ
この17,520個のデータが、「東京エリアに住む人たちが、1年間にどんなリズムで電気を使ったか」を表しています。
このデータを「ものさし」にして、たとえば「月に300kWh使う家庭」が、1日のどの時間帯にどれくらい電気を使っているかを推定します。朝の7時台に何kWh、昼の13時台に何kWh、夜の20時台に何kWh……というように、30分刻みで割り振るのです。
たとえ話:「月のお小遣い3,000円」だけではお金の使い方はわかりません。でも「月曜は100円、火曜は200円、水曜は50円……」と日ごとに見れば、その人のお金の使い方が見えてきます。電気もまったく同じです。「月300kWh」だけでなく「30分ごとにいくら使ったか」まで再現することで、はじめて正確な料金計算ができるのです。
「月にいくら使ったか」だけで計算すれば簡単です。でもそれでは、時間帯によって料金が変わるプランを正しく比較できません。
たとえば「夜トク8」というプランは、夜23時〜朝7時の電気代が安くなります。「スマートライフS」は深夜1時〜6時が割安です。そして市場連動型の「Looopでんき」は、30分ごとに電気の値段が変わります。
こうしたプランの「得か損か」を正しく判定するには、「いつ、どれだけ電気を使ったか」を30分単位で知る必要があるのです。
ステップ1で作った「東京エリアの平均的な使い方」は、あくまで全体の平均です。でも、共働きで昼間は誰もいない家と、在宅ワークで1日中家にいる人では、電気の使い方がまったく違いますよね。
そこで電気代ナビでは、4つの暮らし方パターンを用意して、17,520コマのカーブを調整しています。
| パターン | どんな人? | カーブの調整 |
|---|---|---|
| 一般 | 在宅勤務、専業主婦、退職された方など | 東京エリアの平均そのまま |
| 昼間不在 | 共働き、会社員、学生など | 平日9〜18時の使用量を減らし、夕方〜夜に上乗せ |
| 一般+オール電化 | 在宅+エコキュート・IH | 深夜0〜5時にエコキュートの沸き上げ分を上乗せ |
| 昼間不在+オール電化 | 共働き+エコキュート・IH | 昼間を減らし+深夜にエコキュートの上乗せ |
大事なポイントは、どのパターンでも年間の合計使用量は変わらないということです。たとえば「月平均300kWh」(年間3,600kWh)と入力したら、一般でも昼間不在でも合計は3,600kWhです。ただし、月別では東京エリアの需要実績に基づいて季節変動を反映するため、夏冬は多く、春秋は少なくなります。違うのは「いつ使うか」の配分だけ。同じ年間3,600kWhでも、昼に使うか夜に使うかで、プランによっては年間で数千円の差が出ます。
たとえ話:毎月3万円の食費を使うAさんとBさんがいます。Aさんは3食自炊、Bさんは朝と昼は外食で夜だけ自炊。食費の合計は同じ3万円ですが、スーパーの「朝市タイムセール」はAさんの方が得をし、「夜の値引きシール」はBさんの方が得をします。電気料金もこれと同じ仕組みです。
「昼間不在」の場合、平日の9時〜18時の使用量を40%減らし、その分を夕方〜夜に振り分けます。「オール電化」の場合は、深夜0時〜5時の使用量を40%増やします(エコキュートがお湯を沸かす時間帯)。この2つは独立しているので、組み合わせることもできます。
そして、この調整を17,520コマすべてに適用します。土日祝日は「昼間不在」の調整はしません(休日は家にいるので)。祝日の判定もきちんと行っています。
ステップ1と2で「あなたが30分ごとにどれだけ電気を使ったか」が再現できました。最後のステップでは、ここに実際の価格データを当てはめて、「もしこのプランを使っていたら、本当にいくら払っていたか」を計算します。
計算に使う価格データは、すべて過去の実績値です。
| データ | 何に使う? | 期間 |
|---|---|---|
| 燃料費調整単価 | 毎月の電気代に加減される金額。燃料の輸入価格で変動 | 72ヶ月分 |
| 再エネ賦課金 | 再生可能エネルギーの普及費用。全員が負担 | 72ヶ月分 |
| 政府補助 | 2023年以降の電気代負担軽減策 | 該当月分 |
| JEPX市場価格 | 電力の卸売市場価格。市場連動型プランの計算に使用 | 30分ごと×72ヶ月分 |
たとえば2022年は、ウクライナ情勢の影響で燃料価格が急騰し、電気代が大きく上がりました。一方、2020年はコロナ禍で市場価格が低迷し、市場連動型のプランは非常に安くなりました。こうした「実際に起きた変動」を全部含めて計算するのが、このサイトの特徴です。
計算の規模:
✓ 32プランの料金を、72ヶ月分、4パターンの暮らし方で計算
✓ 市場連動型(Looopでんき)は17,520コマ × 72ヶ月 = 約126万コマの市場価格を使用
✓ 全データ合わせて 9,216通りの月額料金を算出済み
ここが電気代ナビのいちばん大事なところです。32プランすべてを、まったく同じ需要パターン(使い方のカーブ)で計算しています。
普通の料金プランは時間帯に関係なく同じ単価なので、いつ電気を使っても結果は変わりません。でも、時間帯別プランや市場連動型プランは、同じ月に同じ量の電気を使っても、使う時間帯によって料金が変わります。
だからこそ、「全プランを同じ使い方で比較する」ことが透明性の柱になるのです。Aプランにだけ有利な使い方、Bプランにだけ有利な使い方で比べたら、透明で公正な比較にはなりません。
電気代は毎月変動します。燃料費が上がれば電気代も上がり、市場価格が下がれば市場連動型は安くなります。だから、「今月の料金表」だけで比較しても、来月は順位が変わっているかもしれません。
電気代ナビが2020年〜2025年の6年間で比較するのは、この期間に電気代のあらゆる状況が含まれているからです。
| 年 | 何が起きた? |
|---|---|
| 2020年 | コロナ禍で市場価格が低迷。市場連動型が最安級に |
| 2021年 | 経済回復で燃料価格がじわじわ上昇 |
| 2022年 | ウクライナ情勢で燃料価格が急騰。電気代が過去最高水準に |
| 2023年 | 政府の補助金で負担軽減。東電が料金改定 |
| 2024年 | 燃料価格が落ち着き、市場も安定傾向に |
| 2025年 | 再エネ賦課金が再び上昇。新たな料金環境に |
安い時期だけ、あるいは高い時期だけで比較すると、結果が偏ります。6年間の平均を見ることで、「どんな状況でもトータルで安いプラン」がわかるのです。
たとえ話:野球選手を1試合だけ見て「この選手はすごい」と言えるでしょうか? ホームランを打つ日もあれば三振する日もあります。6年分の通算成績を見てはじめて、「この選手は本当に実力があるな」と判断できます。電力会社の比較もまったく同じです。
多くの電気料金比較サイトは、「今の料金表」に「月間使用量」を入れるだけの計算です。これだと、いくつかの重要な要素が抜け落ちます。
| 一般的な比較サイト | 電気代ナビ | |
|---|---|---|
| 使用量の扱い | 月の合計だけ | 30分×17,520コマで再現 |
| 燃料費の変動 | 考慮しない or 1ヶ月分だけ | 72ヶ月分の実績値で計算 |
| 市場連動型 | 計算できない or 概算 | 30分刻みの市場価格で精密計算 |
| 生活パターン | 反映なし | 4パターンで需要カーブを調整 |
| 比較期間 | 今月の料金表のみ | 過去6年間の実績で長期評価 |
電気代ナビの計算は手間がかかりますが、その分「本当にあなたにとって安いプラン」を見つけやすくなっています。
電気代ナビの計算に使っているデータは、すべてインターネット上で誰でも見られる公開情報です。
東京エリアの電力需要データは、電力広域的運営推進機関が公開しています。燃料費調整単価は東京電力EPが毎月発表しています。JEPXの市場価格は日本卸電力取引所が毎日公開しています。再エネ賦課金は経済産業省が毎年決定して公表しています。
つまり、このサイトの計算結果に疑問を持った方は、同じデータを使って自分で検算することもできます。「検証できること」が信頼の土台だと考えています。