電気代ナビの計算のしくみ

年間17,520コマの実需要データ × 72ヶ月の実績価格。
「もしこのプランを使っていたら本当にいくらだったか」を
どうやって計算しているのか、わかりやすく解説します。

多くの電気料金比較サイトは、「今の料金表」に「あなたの月間使用量」を当てはめるだけで「年間○○円おトク!」と表示します。でも、電気代は毎月変わります。燃料の価格が上がれば電気代も上がり、市場の価格が下がれば安くなる。その変動を無視した比較は、正確とは言えません。

電気代ナビは、過去6年間の実績燃料費・市場価格を使って「そのプランだったら月額がいくらになったか」を試算しています。このページでは、その計算方法をどなたにもわかるように説明します。

ひとことで言うと、こういうことです

電気代ナビの計算は、大きく分けて3つのステップでできています。

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ステップ1:電気の使い方を再現する 東京エリアの実際の電力需要データから、30分ごと×1年分=17,520コマの「使い方のカーブ」を作る
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ステップ2:あなたの生活パターンに合わせる 「昼間不在」「オール電化」など、暮らし方に応じてカーブを調整する
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ステップ3:実績燃料費・市場価格を当てはめる 過去72ヶ月分の実績燃料費・市場価格で「そのプランだったら月額がいくらになったか」を試算する
電気代ナビの計算3ステップ:需要カーブの把握→生活パターンの分析→複数年シミュレーションと評価

では、それぞれのステップをもう少し詳しく見ていきましょう。

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電気の使い方を「30分刻み」で再現する

電気の使い方は1日の中で大きく変わります。朝起きてエアコンをつける、昼間に洗濯機を回す、夜にテレビを見ながら料理をする——こうした生活のリズムによって、電気の使用量は30分ごとに上がったり下がったりします。

電気代ナビでは、東京エリア全体の電力需要の実績データを使います。これは電力の広域機関が公開しているデータで、東京エリアで実際にどれだけの電気が使われたかが、30分ごとに記録されています。

30分 × 48コマ/日 × 365日 = 年間17,520コマ

この17,520個のデータが、「東京エリアに住む人たちが、1年間にどんなリズムで電気を使ったか」を表しています。

24時間の電力需要カーブ:深夜は低く、朝と夕方にピーク。30分刻み×365日=17,520データポイント

このデータを「ものさし」にして、たとえば「月に300kWh使う家庭」が、1日のどの時間帯にどれくらい電気を使っているかを推定します。朝の7時台に何kWh、昼の13時台に何kWh、夜の20時台に何kWh……というように、30分刻みで割り振るのです。

たとえ話:「月のお小遣い3,000円」だけではお金の使い方はわかりません。でも「月曜は100円、火曜は200円、水曜は50円……」と日ごとに見れば、その人のお金の使い方が見えてきます。電気もまったく同じです。「月300kWh」だけでなく「30分ごとにいくら使ったか」まで再現することで、はじめて正確な料金計算ができるのです。

なぜ30分刻みが必要なのか?

「月にいくら使ったか」だけで計算すれば簡単です。でもそれでは、時間帯によって料金が変わるプランを正しく比較できません。

たとえば「夜トク8」というプランは、夜23時〜朝7時の電気代が安くなります。「スマートライフS」は深夜1時〜6時が割安です。そして市場連動型の「Looopでんき」は、30分ごとに電気の値段が変わります。

こうしたプランの「得か損か」を正しく判定するには、「いつ、どれだけ電気を使ったか」を30分単位で知る必要があるのです。

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あなたの暮らし方に合わせて調整する

ステップ1で作った「東京エリアの平均的な使い方」は、あくまで全体の平均です。でも、共働きで昼間は誰もいない家と、在宅ワークで1日中家にいる人では、電気の使い方がまったく違いますよね。

そこで電気代ナビでは、4つの暮らし方パターンを用意して、17,520コマのカーブを調整しています。

パターン どんな人? カーブの調整
一般 在宅勤務、専業主婦、退職された方など 東京エリアの平均そのまま
昼間不在 共働き、会社員、学生など 平日9〜18時の使用量を減らし、夕方〜夜に上乗せ
一般+オール電化 在宅+エコキュート・IH 深夜0〜5時にエコキュートの沸き上げ分を上乗せ
昼間不在+オール電化 共働き+エコキュート・IH 昼間を減らし+深夜にエコキュートの上乗せ
4つの暮らし方パターンの需要カーブ比較:一般・昼間不在・オール電化・昼間不在+オール電化。年間合計は同じ3,600kWh(月平均300kWh)だが月別に変動

大事なポイントは、どのパターンでも年間の合計使用量は変わらないということです。たとえば「月平均300kWh」(年間3,600kWh)と入力したら、一般でも昼間不在でも合計は3,600kWhです。ただし、月別では東京エリアの需要実績に基づいて季節変動を反映するため、夏冬は多く、春秋は少なくなります。違うのは「いつ使うか」の配分だけ。同じ年間3,600kWhでも、昼に使うか夜に使うかで、プランによっては年間で数千円の差が出ます。

たとえ話:毎月3万円の食費を使うAさんとBさんがいます。Aさんは3食自炊、Bさんは朝と昼は外食で夜だけ自炊。食費の合計は同じ3万円ですが、スーパーの「朝市タイムセール」はAさんの方が得をし、「夜の値引きシール」はBさんの方が得をします。電気料金もこれと同じ仕組みです。

調整のしかた

「昼間不在」の場合、平日の9時〜18時の使用量を40%減らし、その分を夕方〜夜に振り分けます。「オール電化」の場合は、深夜0時〜5時の使用量を40%増やします(エコキュートがお湯を沸かす時間帯)。この2つは独立しているので、組み合わせることもできます。

そして、この調整を17,520コマすべてに適用します。土日祝日は「昼間不在」の調整はしません(休日は家にいるので)。祝日の判定もきちんと行っています。

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過去6年分の「本物の価格」で計算する

ステップ1と2で「あなたが30分ごとにどれだけ電気を使ったか」が再現できました。最後のステップでは、ここに実際の価格データを当てはめて、「もしこのプランを使っていたら、本当にいくら払っていたか」を計算します。

計算に使う価格データは、すべて過去の実績値です。

データ 何に使う? 期間
燃料費調整単価 毎月の電気代に加減される金額。燃料の輸入価格で変動 72ヶ月分
再エネ賦課金 再生可能エネルギーの普及費用。全員が負担 72ヶ月分
政府補助 2023年以降の電気代負担軽減策 該当月分
JEPX市場価格 電力の卸売市場価格。市場連動型プランの計算に使用 30分ごと×72ヶ月分

たとえば2022年は、ウクライナ情勢の影響で燃料価格が急騰し、電気代が大きく上がりました。一方、2020年はコロナ禍で市場価格が低迷し、市場連動型のプランは非常に安くなりました。こうした「実際に起きた変動」を全部含めて計算するのが、このサイトの特徴です。

計算の規模:

32プランの料金を、72ヶ月分、4パターンの暮らし方で計算

✓ 市場連動型(Looopでんき)は17,520コマ × 72ヶ月 = 約126万コマの市場価格を使用

✓ 全データ合わせて 9,216通りの月額料金を算出済み

全プランを「同じ条件」で比較する

ここが電気代ナビのいちばん大事なところです。32プランすべてを、まったく同じ需要パターン(使い方のカーブ)で計算しています。

普通の料金プランは時間帯に関係なく同じ単価なので、いつ電気を使っても結果は変わりません。でも、時間帯別プランや市場連動型プランは、同じ月に同じ量の電気を使っても、使う時間帯によって料金が変わります。

だからこそ、「全プランを同じ使い方で比較する」ことが透明性の柱になるのです。Aプランにだけ有利な使い方、Bプランにだけ有利な使い方で比べたら、透明で公正な比較にはなりません。

なぜ72ヶ月(6年分)で比較するのか

電気代は毎月変動します。燃料費が上がれば電気代も上がり、市場価格が下がれば市場連動型は安くなります。だから、「今月の料金表」だけで比較しても、来月は順位が変わっているかもしれません。

電気代ナビが2020年〜2025年の6年間で比較するのは、この期間に電気代のあらゆる状況が含まれているからです。

何が起きた?
2020年 コロナ禍で市場価格が低迷。市場連動型が最安級に
2021年 経済回復で燃料価格がじわじわ上昇
2022年 ウクライナ情勢で燃料価格が急騰。電気代が過去最高水準に
2023年 政府の補助金で負担軽減。東電が料金改定
2024年 燃料価格が落ち着き、市場も安定傾向に
2025年 再エネ賦課金が再び上昇。新たな料金環境に
過去6年間(2020〜2025年)の電気代変動:コロナ禍での低下、エネルギー危機でのピーク、政府補助金開始後の安定

安い時期だけ、あるいは高い時期だけで比較すると、結果が偏ります。6年間の平均を見ることで、「どんな状況でもトータルで安いプラン」がわかるのです。

たとえ話:野球選手を1試合だけ見て「この選手はすごい」と言えるでしょうか? ホームランを打つ日もあれば三振する日もあります。6年分の通算成績を見てはじめて、「この選手は本当に実力があるな」と判断できます。電力会社の比較もまったく同じです。

一般的な比較サイトとの違い

多くの電気料金比較サイトは、「今の料金表」に「月間使用量」を入れるだけの計算です。これだと、いくつかの重要な要素が抜け落ちます。

一般的な比較サイト vs 電気代ナビ:1ヶ月の簡単見積もり vs 6年間の包括的シミュレーション
一般的な比較サイト 電気代ナビ
使用量の扱い 月の合計だけ 30分×17,520コマで再現
燃料費の変動 考慮しない or 1ヶ月分だけ 72ヶ月分の実績値で計算
市場連動型 計算できない or 概算 30分刻みの市場価格で精密計算
生活パターン 反映なし 4パターンで需要カーブを調整
比較期間 今月の料金表のみ 過去6年間の実績で長期評価

電気代ナビの計算は手間がかかりますが、その分「本当にあなたにとって安いプラン」を見つけやすくなっています。

使っているデータはすべて公開情報

電気代ナビの計算に使っているデータは、すべてインターネット上で誰でも見られる公開情報です。

東京エリアの電力需要データは、電力広域的運営推進機関が公開しています。燃料費調整単価は東京電力EPが毎月発表しています。JEPXの市場価格は日本卸電力取引所が毎日公開しています。再エネ賦課金は経済産業省が毎年決定して公表しています。

つまり、このサイトの計算結果に疑問を持った方は、同じデータを使って自分で検算することもできます。「検証できること」が信頼の土台だと考えています。

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