再エネ賦課金とは? — 電力会社を変えても変わらないコスト

電気料金の明細を見ると「再エネ賦課金」という項目が載っている。電力会社を変えても、この金額は変わらない。ここでは、再エネ賦課金の仕組み、金額、そして今後どうなるのかについてわかりやすく解説します。

再エネ賦課金の仕組み — FIT制度との関係

再エネ賦課金は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるための仕組みから生まれた。その仕組みが「FIT制度」、正式には「固定価格買取制度」と呼ばれるものです。

FIT制度は2012年に始まった制度で、太陽光発電所の事業者が、国が定めた一定の価格で電力を売ることができるようにしたもの。この買い取り費用は、すべての電力消費者が負担することになっており、その負担のことを「再エネ賦課金」と呼んでいます。

つまり、再エネ賦課金は「再生可能エネルギーの買い取り費用を消費者が共有で負担する仕組み」です。どの電力会社から電気を買っても、国が決めた同じ単価が適用される仕組みになっています。

FIT制度と再エネ賦課金の仕組み
再エネ賦課金は全消費者で共有して負担する仕組みです

再エネ賦課金はいくら? — 2025年度の金額と月額の実感

2025年度の再エネ賦課金は、1kWh あたり3.49円です。これは前年度(2024年度:3.49円)と同じです。

月額でいくらになるか、具体例で計算してみましょう。一般的な家庭の月間電力使用量が約300kWh だとすると、再エネ賦課金だけで約1,047円(300kWh × 3.49円)になります。年間で見ると約12,564円。決して小さくない金額です。

電力会社を変えても、この金額は変わりません。新電力に乗り換えて電気料金が安くなったように感じても、その安さは基本料金や電力量料金の値引きによるもので、再エネ賦課金には響きません。

対象年度 単価(円/kWh) 月額(300kWh利用時) 年額
2023年度 1.40 約420円 約5,040円
2024年度 3.49 約1,047円 約12,564円
2025年度 3.49 約1,047円 約12,564円
再エネ賦課金の単価推移グラフ
再エネ賦課金は2024年度に大幅上昇し、2025年度は横ばい

なぜ再エネ賦課金は上がり続けるのか — 太陽光バブル期の買取価格が重荷

再エネ賦課金が大きく上昇した理由は、FIT制度の設計にあります。2012年から2013年にかけて、太陽光発電への買取価格が異常に高く設定されました。

当時の国の政策は「再生可能エネルギーの導入を急速に拡大させる」というものでした。そのため、事業者が参入しやすいように、買取価格を高く設定したのです。結果として、大量の太陽光発電所が建設され、膨大な買い取り費用が発生することになりました。

この時期に建設された太陽光発電所の買い取り契約は、一定期間(通常20年)継続します。つまり、2012年~2013年に高い価格で契約された太陽光発電の電力は、今も高い価格で買い取られ続けており、その費用がすべての消費者に上乗せされているのです。

わかりやすく言うと、「太陽光バブル期の高い契約をまだ支払っている」ということ。金利の高い時代に組んだローンをまだ返し続けているようなものです。

出典:経済産業省

今後の見通し — 再エネ賦課金は下がる見込み

良いニュースもあります。再エネ賦課金は、今後下がっていくと予想されています。

理由は、時間がたつにつれて、高い価格で買い取られていた太陽光発電所が「買取契約の満了」を迎えるからです。20年間の買い取り契約が終わると、新しい売電方法に変わります。その結果、消費者が負担する買い取り費用が減り、再エネ賦課金は段階的に低下していくと見られています。

また、最近のFIT制度では買取価格がより慎重に設定されており、当時のような異常な高値はつきません。ですから、新しく増加する太陽光発電からの負担増は限定的だと考えられます。

ただし、完全に消える訳ではなく、一定程度の負担は残る見込みです。再生可能エネルギーの普及は国家的な課題であり、何らかの形で費用負担は継続されるのではないでしょうか。

再エネ賦課金の月額影響額
使用量が多いほど、再エネ賦課金の月額負担も大きくなります

まとめ

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を支えるために全消費者が共有で負担している仕組みです。電力会社を変えても変わらず、2025年度は3.49円/kWh。300kWh使用の家庭で月約1,047円の負担になります。

上昇の背景には、2012年~2013年の太陽光バブル期に高い価格で契約された発電所の買い取り費用が、今も継続していることがあります。ただし、買い取り契約の満了に伴い、今後は段階的に低下していくと予想されています。

再エネ賦課金を「無駄」と感じるのではなく、再生可能エネルギー普及のための「必要な投資」と理解しておくと、電気代を見る見方も変わるのではないでしょうか。


著者情報

原田慎也(はらだ しんや)
電力業界27年のキャリアを持つエネルギー専門家。ENEOS勤務を経て、現在は独立し、電力制度の研究と教育に従事。電気代ナビ運営者。

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メタ情報:投稿日 2026年3月15日|カテゴリー:電気料金の基礎知識|タグ:再エネ賦課金, FIT制度, 電気代

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