託送料金と損失率とは? — 電線の「通行料」と途中で消える電気

電気代を見ていると、「託送料金」という項目に気づくことがあります。特に、市場連動型の電気プラン(Looopなど)を使っている場合は、従量電灯プランとは異なり、託送料金が独立して表示されることがあります。

また、発電所で作られた電気が、家庭に届くまでの過程で「損失率」という言葉が出てきます。この損失率は、電線の中で熱になって失われる電気のことです。

ここでは、託送料金と損失率について、わかりやすく解説します。

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託送料金とは — 電柱・電線の使用料

託送料金(たくそうりょうきん)とは、電柱や電線といった送配電ネットワークを使用するための料金です。高速道路の通行料に例えると、わかりやすいです。

高速道路を走るときに、「この道路を使わせていただきますので、通行料を支払います」というイメージです。電気の場合も、東京電力パワーグリッドなどの送配電会社が管理する電柱や電線を使うため、その使用料として託送料金を支払うことになります。

託送料金は、契約している電力会社に関係なく、同じ地域内であれば金額は同じです。なぜなら、どの電力会社から電気を買っても、同じ電柱・電線を使っているからです。

託送料金を高速道路に例えた図解
託送料金は高速道路の通行料のようなものです

託送料金は2つの部分に分かれています。

通常の従量電灯プランでは、託送料金は「従量単価」の中に含まれているため、請求書には表示されません。しかし、市場連動型のプラン(Looopなど)では、託送料金が別建てで見える形になっているため、仕組みが理解しやすいです。

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なぜどの会社でも同じなのか — 送配電は地域独占、規制料金

日本の送配電網は、地域ごとに決まっています。関東地方は東京電力パワーグリッド、関西地方は関西電力送配電など、各地域に1つの送配電事業者が独占で管理しています。

送配電ネットワークは、莫大な資金投資と長年の実績が必要なため、1つの地域に複数の事業者が競争するのは非効率です。そのため、送配電は「地域独占」の形になっており、その代わりに、価格(託送料金)は国の経産省が認可する「規制料金」に定められています。

つまり、どの電力会社から電気を買っても、同じ電柱・電線を使うので、託送料金は同じ金額となるわけです。電力の小売り市場では自由に価格競争ができますが、送配電の料金は厳しく管理されているのです。

託送料金の内訳を示すドーナツグラフ
託送料金は全国で規制料金に統一されています
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損失率とは — 電線を通る途中で消える電気

発電所で作られた電気は、電線を通じて家庭に届けられます。しかし、電線を通る過程で、電気の一部が熱になって失われてしまいます。これを「損失」と呼び、その割合を「損失率」と言います。

水道管を思い浮かべるとわかりやすいです。水道管の中を水が流れるときに、わずかな漏水が起きるように、電線の中を電気が流れるときにも、熱として電気が失われるのです。

一般的には、日本の送配電ネットワークの損失率は6〜7%程度です。つまり、発電所で100kWh発電しても、家庭に届く頃には93〜94kWh程度に減ってしまうということです。言い換えると、100kWh届けるには、発電所では約107kWh発電する必要があります。

電力の送電損失を示す図解
電線を通る途中で、電気の一部が熱として失われます

損失率6.9%というのは、市場連動型プランの計算式に出てきます。Looopなどのプランでは、JEPX(日本卸電力市場)の価格に損失率を考慮して、実際の小売価格が決まります。JEPX価格に1.074(=1÷(1-0.069))をかけることで、発電所での発電量から家庭での消費量を逆算しているわけです。

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普段は見えないが、市場連動型プランでは見える

従量電灯プランを使っている場合、託送料金や損失率の存在は意識しにくいです。なぜなら、すべてが「従量単価」という1つの数字に集約されているからです。

しかし、市場連動型プラン(Looopなど)では、以下のように分解されて表示されます。

市場連動型プランを見ると、「あ、こんなに複数の要素から成り立っているんだ」と気づきます。普段は隠れている託送料金や損失率の存在を理解する良い機会になります。

損失率計算フローの図解
発電量と配送量の差が損失率によって生じます
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まとめ

託送料金は、電柱や電線といった送配電ネットワークの使用料です。高速道路の通行料のように、どの電力会社から電気を買っても、同じネットワークを使うため、金額は同じです。送配電は地域独占で、その料金は国が認可する規制料金に定められています。

損失率は、電線を通る途中で熱になって失われる電気の割合です。日本では約6〜7%が一般的で、100kWh 届けるには発電所で約107kWh 発電する必要があります。

これらは普通の従量電灯プランでは見えませんが、市場連動型プランでは託送料金が独立して表示されるため、電気代の仕組みをより深く理解する助けになります。

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